浮き雲

今、午前の空の下
目に滲みいる青と白

舗道が焼ければ
濁った憂いが溶けて流れる
歩く速さで人生は逃げる
想いを連れ去る

苦りきって空を見る
立ち止まって空を見る
漂える我は浮き雲

道すがらに様々の
今日は千切れて転げている

木立の緑が
私の迷路に午後を告げている
頭上を飛び去る飛行機の音が
怠惰を叱る

苦りきって空を見る
立ち止まって空を見る
漂える我は浮き雲

「どこまでゆこうか
どこへゆこうか
浮き雲なれば何処へも行けるだろう
また流されて日々から日々へ
また流されて流れてやるさ。」

そして
電信柱も枯れる頃
雲散霧消の君の顔
流れて漂う浮き雲の
旅は続く
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