遠い日

いつか見た風景を 思い忍んでみても
色あせた遠い日は いづこへ
コウモリガサをさして 水たまりをとびこえ
どろだんごがおっこちないように 抱え

今日おきたことを全部 何度も口に出して
忘れないように早足で 帰る

ぼんぼりは軒下に しばし雨宿り
うだるような暑さと 蝉時雨
夕方の鐘が鳴る カラスもとんでいく
かくれんぼの続きは 明日ね

日常にあふれている くたびれかけたあの日
すくいとりたい のぞきこんで にじまないで
道草のあの坂を 今だって通っている
つかまえて あの日の僕 にじまないで

笑っていますように 思いきり泣いていますように
とびきりの声をはりあげて 思いのたけを
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