名なしの犬公

冷えた時雨が、背中を強くたたいている。
タクシードライバー 2回クラクション
室内ぐらしの血統書が すれちがいざま
こっちみて、ウィンクした。
「マミー!あれが欲しいの!」
ねだるガキのうでには ロレックス

「今も昔も本もんはいつもちょっとだぜ」
小さい老犬、説教ぶった。
俺のあいまいな返事はすぐに、ぼやけてゆき
よどむ神経。
ウェイクアップすんだ!

HEY!走れ走れ 奴らから取り戻せイマジネーション
ねえ、でかいビルを見上げたら満月が
とても、とてもレッドカラー
俺の目玉が赤いだけなのかい?

暗い駐車場。寝そべっていると
こだました、ムード歌謡 リラックスすんなぁ
君の事なら一度も忘れた事ないよ
軟弱にも しょっぱい 気分

HEY!吠えろ吠えろ 奴らから守るんだ臨場感
そう、燃える朝がメラメラと俺の名前を燃やしたぜ
YOU! 俺は名なしの犬公さ、またな
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