夜霧の滑走路

いま一度 もう一度 ただ一度
君に逢いたい そればかり
霧に駈け込む 空港の
つきぬ怨みを そのままに
濡れてかすんだ あゝ 滑走路

馬鹿な娘(こ)よ 弱い娘よ 可愛い娘よ
抱いて叱って やろうもの
君をかくして ひっそりと
泣いているやら 窓灯り
ひとつ揺らいで あゝ 空へ発つ

遠くなる 薄くなる 闇になる
君の心か あの翼
凍りつくよに 立ちつくす
僕の思いを 知らぬげに
霧が埋(うず)める あゝ 滑走路
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