桃花源

あなたの便りが峠を越えて
私のお家に届く頃
南風吹いて稲穂がそよぎ
あなたの里は黄金に染まる

川のほとりには水車がひとつ
静かに時を刻んでます
野苺色した夕陽の中に
荷馬車の影絵が浮かんでいます

仔牛が生まれた事の他には
なんにも変りはないけれど
あなたを待つ日々のたわむれにと
私は編み物覚えました
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