漁火挽歌

波が鳴くのか 海が鳴る
こころのなかも 闇になる
惚れた挙句の 幕切れは
岬がくれの 旅の宿
漁火ちらり ちらり ちらり
涙がほろり ほろり ほろり
愛しつづけて いたいのに
あなたは過去の人になる 人になる

舟は流れる 波に揺れ
人はさだめに 流される
抱いて下さい もう少し
明日の別れを 忘れたい
漁火ちらり ちらり ちらり
未練がほろり ほろり ほろり
残り少ない時刻をさす
時計の針のにくらしさ にくらしさ

漁火ちらり ちらり ちらり
溜息ほろり ほろり ほろり
崩れるように 身を寄せりゃ
夜明けを怨む雨が降る 雨が降る
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