鳥籠の宇宙

箱庭の底から 空見上げていた
小さなふたり 身を寄せあって
駆け抜ける雲に 光り奪われて
逃げ道すら 探し出せないまま
子供騙しの 模造品にうもれてる

足りないことば 聞こえない夢
焦げつきそうな愛 透き通る痛み
つま先立ちの 小さな苛立ち
背すじを走る 涙まじりの風

鳥籠の中から 雲つかめそうで
はかないふたり 目をこらしたまま
あさっての月を 待つほど遠のいて
自由の意味 思い出せないまま
手のひらほどの 宇宙さえももてあます

足りない笑顔 とどかない爪
錆び付きそうな愛 永遠の砦
遠い瞳をした ちいさな歌声(ささやき)
呼吸を乱す 不安まじりの雨

永遠を思って 叶わぬふたりの夜は
かかとを地につけて 凍るつま先休めてた

眠れずに迎えた 静けさ微笑む朝は
かかとを地につけて 凍るつま先休めてた
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