雨やどり

駅前の本屋の前で君はバスを待って雨やどり
花のようなやさしさはまるで幼い時のまま
変ってないようにみえたけど
町の噂では叶わぬ恋をしてたと

君の前をタクシーが泥をはねて通りすぎる
君は傘を降ろして作り笑顔でうつむいた

何気ない顔で俺は君の前をぬけた

バス停のすぐ前の小さな店で俺はコーヒー
窓際をそっとさけてわざと奥へと逃げ込んだ
こんな気持ちで時が過ぎ
悔やみ続けるのは今ででもう沢山

火をつけた煙草さへ小さくふるえて止まらない
押さえられない胸で窓の外に目をやれば

あがりかけた雨の中君はもういない

部屋に帰ってしょんぼりひとり聞くビートルズ
ひとり聞くビートルズ
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