夏の夢

月明かりの下 くたびれた空き缶横たわる路地
虫の声が耳障りな夜 連れもなく僕は一人
一度だけ君と見た花火 目映い光拭い去る風
蒸し暑い夏の終わりに 夢が急ぎ足で消えて行く

何も見えない
その声は聞こえないよ
もう誰も居ない場所でまた夜が明ける

濡れた芝の上寝転がる体 汗の臭い
何も無いのに握ってみる手の平
君の温度は覚えてる

でも何も見えない
痛みすら感じないよ
薄れる記憶だけがこの胸を刺す
あぁ君は酔い薬
もぅ期限が切れたみたい
目が醒めた夏の夢
もう僕も居ない
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