OTOME

名も知らぬ 可憐な乙女
人気(ひとけ)なきを見定め
さらさらのドレスを脱ぐ
季節は夏 時刻(とき)は昼さがり
眩しい光に 白砂(しらすな)が煌(きら)めき
桃色の乙女の肌が
海へと走る

波と戯れて 水に浮かび
小さき乳房 陽(ひ)にさらして
うつらうつら 乙女は眠る

ああ ああ
なんていい景色
ああ ああ
なんてこの世はしあわせ
ああ ああ
なんていい景色
ああ ああ
なんてこの世はしあわせ

察するに 男を知らず
胸の中 焦(こ)がして
あこがれを覚えるのみ
季節は夏 時刻(とき)は夕まぐれ
緑のそよ風 波の上(え)を揺らして
突然恥じらう乙女
丘へと急ぐ

砂に膝をつき 髪を梳(と)かし
色づく乳首 掌(て)にて隠し
うららうらら 乙女は歌う

ああ ああ
なんていい景色
ああ ああ
なんてこの世はしあわせ
ああ ああ
なんていい景色
ああ ああ
なんてこの世はしあわせ
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