胡蝶蘭

夜風が ヴェールを揺らすように
解けた 髪、揺れた

綺麗な物程 儚い
そんな君の横顔は愛しく 夢を観させていた

凍えて 飛べない揚羽蝶
花には 辿り着けず

想えば想う程 届かない
弱すぎた僕には 空は深く 高すぎて

只、透明な 心の羽で
今 幾千の 夜を越えてゆく
花に銀河に 見劣りしない程
上手に飛べたなら

やがて

永訣の朝 蝶は眠る
今 幾千の記憶連れ添って
落ちた花弁 優しく降り積もった

景色は「花と蝶」
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