サナギの夜

話をするときの仕草が好きだ
両腕を束ねて頬杖をつく

電話を取る時の言葉が好きだ
「もしもし」のリズムが耳に心地いい

寝ながら本を読む時に足を立てる
いつの間にか僕もホラ 君の真似をしている

君が僕の中にいるみたいだ
本当は僕が入る方なのに
気付けば君は夢の中
またいつものように毛布をかけなきゃ

「いただきます」と僕が言うときいつも
君は笑ってすぐ「めしあがれ」と言う

毎日一つ新しく君を知る
全てを書き留めた手帳 誰にも見せないよ

世界一や宇宙一だとか
恋の大きさは測れやしない
確かなことはひとつだけ
君とこうしていたいんだ それだけ

毛布にくるまる君はサナギのよう
久々に今日こそはと思っていたんだけど…

僕らの時間はまだまだあるはず
これからもずっと たぶんずっと
でも明日もし僕が死んだら...
考えてすぐに止めた

今日はこのまま君を部屋まで運んで
たまには君を抱き枕
だけどきっと朝、目覚めたら
僕の腕が幸せでしびれている
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