渋谷零時五十二分

いつか抱いてた夢なんてもんは満員電車で潰されて原型も無くなった
キラキラ輝くこの街並も近くで見れば薄汚れた小さな電球が集まって
暗闇を恐れて消える事が出来ずにいるだけだった
失望するのにも慣れてしまったよ
それでも何か勝手に期待してんだ

ここに居るステータスに縛られて僕は今日も狂う
一体何をしたいんだ
バカが付く程高額な携帯の請求書が来る
一体何と繋がってたいんだ
わからないけど わからないけど
魅せられて 東京

毎日スクランブル交差点で肩がぶつかって少しずつ何か削られてくけど
終いには削られる事すら気にならなくなった悲しき免疫力

大人達は一様に口をそろえて僕等に言う
「最近の若者は元気が無い」と
それじゃあデモでも起こしてこの社会を変えてみますか!
まず誰か先にやってくれませんか?
ひとりでいる事に疲れて眠れずに薬を飲む 犯された現代人
「それでも明日も仕事だから」と疲れた笑顔で言う よく出来た社会人
染まりたいの標準に 飲まれたいの東京に
逃れたいのひとりから 窮屈なくらいの東京で 冷たくてもいい

大人達も子供達も僕もどっかみんな寂しい 孤独な愛の密集地
それでも何かに惹かれて僕は今日もここで歌うよ 愛すべきこの街を
何でも有るけど 何も無い街
飽きもせず 東京
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