都万の秋

イカ釣り船が帰ると ちいさなおかみさんたちが
エプロン姿で 防波堤を駆けてくるよ
都万の朝は 眠ったまま
向うの浜じゃ 大きなイカが手ですくえるんだよ

おかみさんは待っている 亭主の自慢話をね
黙ってイカを洗う亭主に 相槌うってね
隠岐の島は 逃げるとこなし
盗人だって ここじゃどこにも隠れられない

海のきげんをとってきた 都万のおかみさんたち
ひと荒れすりゃ ひと年も老けてきた
明日の朝は 去ってしまおう
だって ぼくは怠けものの渡り鳥だから
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