デジカメ

ちょっとあとから見れば
タイヘンな今も
幸せにみえるよと
キミは言ってたね

ムリして買ったデジカメ
撮りまくるボクに
困った顔をしてほほえんでたキミ
今は遠くて

ありがとう どんなときだって
真剣にボクを
はげましてくれてたね
ずっと いっしょにいようねと
笑ってた声は
もう聞けなくても
ありえない約束のように
色あせないデジカメ

抱きよせたオデコと鼻の
アタマがつめたくて
もうすぐ季節がかわると
知った早い朝

窓辺に光ったレモンの木
逆光にゆれた髪の毛
不思議だね
どうしてぶつかりあったあの頃
かがやいてる

どうして もうほんの少しだけ
キミに素直に
なれなかったんだろう
すべてを 投げ出し
キミだけを選ぶ強さ
なかったんだろう
果たせない約束のように
時を止めたデジカメ

知らない間に
撮られてたボクの横顔
なんて無防備に笑っているよ
今ここにいなくても
キミの声が聞こえる
「きっとダイジョウブだよ」

ホントありがとう
どんなときだって不器用にボクの
味方してくれてたね
ぎゅっと
にぎりかえしてくれたぬくもりは
消えていっても
忘れない約束のように
のこされたデジカメ

ありがとう どんなときだって
真剣にボクを
はげましてくれてたね
ずっと いっしょにいようねと
笑ってた声は
もう聞けなくても
ありえない約束のように
色あせないデジカメ
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