君を待つ

そこには四季があり それこそが美しさで
ぼくはここでこうして君を待つ

春には花の様に それもまたたおやかさで
竦み見蕩れるうちに花落ちる

低く重たく 雨つづき
君沈みうつ日は離れず 窺う

短い夏は過ぎ 音も立てず秋になる
いつか君は微かに色つける

冷たく白く長い冬
君枯れぬようにただ手をとりあたたむ

やがて雪は解けて 流れるまま春が来る
やっと君は小さくつぼみつく

そこには四季があり それこそが美しさで
ぼくは今もこうして君を待つ
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