酒みれん

そんなあんたが 好きだから
ついて行かせて 浮草ぐらし
こんな男に 夢一途
くれたあいつが 死んだ夜は
呑まずに…いらりょか
噫(あ)々… 酒みれん

酔えばきまって 枯れすすき
遠い眸(め)をして うたったあいつ
吐息まじりの あの唄声(うた)が
胸にからんで また沸かす
雨だれ… とまり木
噫々… 手向け酒

ばかがつくほど お人好し
辛くなるほど いい女(やつ)だった
やだよ今さら ほめたって
お酌ひとつも できないと
微笑(わら)って… いるやら
噫々… 酒みれん
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