あの日、桜の下

あの日、桜の下 一人見てた空のように
どこまでもどこまでも 未来は広がってた

あの日、桜の下 待ち合わせた校舎の外
はじめて名前で 呼ばれてうつむいた

距離を縮めたくて もどかしすぎた帰り道
そっと手をかさねたら 微笑んでくれた人

確かなものなど なにひとつなかった 遠い春よ

あの日、桜の下 淡い日差しに包まれて
こんな日がいつまでも 続くと思ってた

あの日、桜の下 花びら舞い落ちるホーム
待っててほしい、って 言葉にうなづけずに

急ぎ乗った電車 一人ドアにもたれながら
遠ざかる町並みを ぼんやり見送ってた

確かな何かを 探し始めていた 遠い春よ

あの日、桜の下 二人通い詰めた店も
今ではがらんとした 灰色の駐車場

ゆずれないと泣いた 夢の果てが今としたら
こんなにも立ち止まる 毎日はどうして?

確かなものなど 見つけられないまま 今も今でも

そして、桜の下 いくつ春を見送っても
どこまでもこの路を 歩いて行くのでしょう
いつの日もいつまでも 歩き続けるでしょう
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