海を抱きしめて

生まれて来なければ よかったなんて
心が つぶやく日は
人ごみに背を向け 会いに行くのさ
なつかしい海に
幼な児よりも ひたむきに
遠い名前を叫んで
汗ばむ心潮風が 洗うにまかせれば
いつのまにか生きることが
また好きになるぼくだよ

誰かがぼくよりも まぶしく見えて
心が うつむく時
カモメの笑い声 聞きにいくのさ
いつもの渚に
なんて小さな 悲しみに
ひとは つまづくのだろう
船乗りたちがするように 海を抱きしめれば
忘れかけた大らかさを
またとり戻すぼくだよ
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