白い小部屋

白い小部屋で 私はとても幸せ
窓辺の木々が きらりと光る
あなたはじっと ベッドの上の
動かぬ足を 見つめている

もしもあなたが 愛してくれるなら
この日々を とてもいとおしく
思えるはずなのに

やわらかな春の陽に
あなたはまどろみの中
となりの小さな ため息など
気づきもせずに

白い小部屋で 私は話し続ける
ちいさな頃の 街の家並や
遠く旅した 夏の日の事
時はゆっくり 流れていく

もしもあなたが 愛してくれるなら
見つめ合う ただそれだけで
幸せなはずなのに

もうすぐによくなると
あなたは微笑んでいる
優しい光がゆれている
白い部屋の中
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