風のある午后

風のある午后に しめった部屋で
窓もあけずに 春も知らずに
女がひとり 手紙を書こうと
言葉をさがしてる
さよならと書けずに涙ぐんで
言葉をさがす昼下り

めぐり会う前の だれかとだれかが
もとのひとりに なっただけだと
むりに笑って ためいきついて
風をみつめてる
しあわせだったとくちびるかんで
風をみつめる昼下り

風のある午后に 雪どけ道を
肩もだかずに なにもいわずに
男と女 心をこおらせ
ぼんやり歩いてく
二人のきのうを忘れようと
ぼんやり歩く昼下り

二人のきのうを忘れようと
ぼんやり歩く昼下り
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