孔雀忍法帖

何処かで 山風の唄 響く
其れでは 果たせまいよと 嗤う
茸 蹴散らかすは 子の刻
己の 漏剋は現在 止した儘

実に 嘔吐かせるのは 末生りの
下司が 裏で謀りし 逆命
恋い 狂おしいほど 愛しき男を
然様とは知らず 手に掛けて

此処まで 嬌態の声 届く
今宵は 逃がすまいぞと 嗤う
花片 舞い散るは 丑の刻
汝の 鏤骨は今 無駄と化す

実に 悔やみ切れぬは 言い成りの
己が 畏み受けし 幕命
恋い 狂おしいほど 愛しき男を
此の手で 取るは 生き地極

(誅)何も見えぬ 何も言わぬ
何も聞かぬ
此の 刃を 甘んぜよ
踊れ 彼の如く

実に 嘔吐かせるのは 末生りの
下司が 裏で謀りし 逆命
恋い 狂おしいほど 愛しき男を
屠らせしめた 贖いを

(誅)何も見えぬ 何も言わぬ
何も聞かぬ
此の 泪は 契りの 叢雨

(誅)何も見えぬ 何も言わぬ
何も聞かぬ
其の 命で 報わせよ いざや 誅せん
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