螢の家

命ひとつ 握りしめ
遥か夢を 浪流(さすら)えば
なくした昨日が 空しさ連れて
独り風を抱く

強い男になれと
遠い声がする
あれから何年
故郷よ……
今もお袋は帰りを待っている
夏草にうずもれた
窓に灯をともし

時に追われ 生き急ぎ
心と躰 すり減らし
信じた自分を それでも信じ
今日も道をゆく

帰りたくなるたびに
胸によみがえる
涙を見せない
お袋よ……

便りがないのは元気な証拠だと
ありふれたつぶやきで
胸に灯をともし

強い男になれと
遠い声がする
あれから何年
故郷よ……
今もお袋は帰りを待っている
夏草にうずもれた
窓に灯をともし

窓に灯をともし
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