ひとりごと

することのない 午後のこと
小雨に垂れる 柳の枝
あなたを想う わたしさえ
濡れるあなたを 知る術もなく

小雨ふり 小雨ふりて
あの町の空 仰ぐばかり
ただ一人 ただ一人を
抱くも抱かぬも ひとりごと

行くも帰るも ひとりごと

することのない 宵のこと
月の光も 欺いた
あれからどれだけ 経ったのと
足りない指に 寄せる微笑み

風が吹き 風が吹きて
戻らぬ日々を さらうばかり
待ちぼうけ 待ちぼうけて
泣くも泣かぬも ひとりごと

行くも帰るも ひとりごと

夢も現も ひとりごと
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