故郷へ

生まれた時から 青空なんか
私にゃ 届かぬ とこだから
暗い酒場を 流れて北へ
涙よ あんたと 道づれに
どこで死んでも 泣く人なんか
海に捨ててよ この身体
せめて海鳥よ 私の爪を
運んでおくれ 故郷へ

今度生まれりゃ 男になって
私をのろうよ この世から
夢を見たって ホテルの窓にゃ
ひと夜の 灯りを ともすだけ
どこで生きても 暮らしてみても
めぐり逢えない 倖せに
酒に溺れりゃ 溺れるままに
生命 私の ものだから

どこで死んでも 泣く人なんか
海に捨ててよ この身体
せめて海鳥よ 私の爪を
運んでおくれ 故郷へ
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