WALK

靴を脱ぎ散らかして
ただいま おかえり 直す母の後ろ姿
きつくなった 小さな靴
うれしそうにながめて
父は新しいのを買ってくれた

玄関に並んだ 家族のかたちは
そのときの歩き方
ハイヒールに照れた姉たち
もったいないからとずっと同じ靴の母

WALK それぞれの歩幅で
WALK そのときのリズムで
WALK 進んでも 立ち止まっても
誰かが誰かを見守ってる

広くなってゆく玄関
ボクは都会へ 姉たちは違う玄関へ
もう履けない小さな靴
忘れない 忘れない
だからもっと遠くにゆけるだろう

玄関に残った 家族の記憶は
いつも帰りを待っている
ボクは背伸びの革靴で
姉たちは小さな靴をつれて
よくした ただいま

WALK それぞれの呼吸で
WALK そのときの未来へ
WALK 進んでも 立ち止まっても
誰かが誰かを見守ってる
だからもっと遠くにゆけるだろう

WALK もっと遠くへ
WALK もっと遠くへ
WALK もっと遠くへ
WALK もっと遠くへ
WALK もっと遠くへ
誰かが誰かを見守ってる
だからもっと遠くにゆけるだろう
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