江戸の夕映え

礼に始まり 真義を学び
それで終わらぬ 剣の道
いつか濁世(じょくせ)の この闇討つと
草を枕の 素浪人
今日も仮寝の 馬籠宿

「正義が邪剣に勝つとは限らぬ。
剣に生き、剣に死するも肝の据え方一つ。
俺は江戸へ出てそれを学びたいのだ」

連れていってと 身を刻むよに
すがる女の 愛おしさ
冴える刃(やいば)も 心は斬れぬ
生きて帰らぬ 故郷の
歌がきこえる 風の中

「このままぬるま湯に漬かって一生を終えるのかと思うと、
たまらなく己自身に腹がたって、腹がたって」

四角四面を 尖って生きる
百歩譲れば 楽なのに
意地の筋金 背筋をたてて
熱く燃えてる 俺のよに
江戸も夕映え あのあたり
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