感染

まだ残る違和感に風を呼んで
大袈裟な手招きを悼む素振りに冷めて逝く
繰り返す悲しみを 喉の奥で歪ませて
吐き出せば 白い世界に赤黒い雨が降る

口付けに偽りと名を刻んで
柔らかな表情は艶かしい夜の術
右の頬を振り抜いた 手の平に痛みを知って
よれる目から崩れ落ちたなら
「あれ」に辿り着けそうだ

揺れる光を紐解いて行く様に
手探りの価値観を見守った

鍵を掛けた あの部屋は窓辺より
優しげな眼差しは僕の果てまで
夜に凭れても 言い訳まで僕を追い越して行くんだ
眠る木々に有り余る溜息を

滲む景色をほどいて行く様に
手探りの価値観を見送った

鍵を掛けた あの部屋は窓辺より
目に余る行動は君の果てまで
身を縛られても 抵抗する素振りだけは見せたんだ
続く日々に有り余る溜息を
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