小桜おせん

(台詞)
この桜吹雪
咲かすも散らすも
お天道様次第でございます

背中(せな)に散らした 桜の花は
さらし木綿の 肌に降る
壺をひと振り この啖呵
上州訛りか 小桜おせん
恋の采(さい)の目 蚊帳(かや)の外

お酒呑んでも 呑まれはしない
肌も桜の 鉄火肌
甲斐の国から 中仙道
祭り盆ござ 小桜おせん
白い指先 紅のあと

(台詞)
一点地六の賽(さい)の目に
勝負を賭けるのも
また乙なものでございます

女伊達らに 立て膝組めば
八百八町の 花となる
関の八州 旅がらす
誰が名付けた 小桜おせん
恋の丁半 雲の中
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