めんどうみたョ

背なに満月 さげをのたすき
かわいい子分にゃ 赤城の山も
これが最後かみおさめか
ほろり ほろり ほろり
こぼれた ひとしずく
涙の忠治よ どこへ行く

どこへ行くったって
どこへ行きゃいいんだ
こうなりゃ昔めんどうみた
平手の造酒んとこでも行くか
いいたかねえけどめんどうみたョ

背なに三ヶ月 とっくりさげて
利根の河原をホロよい気げん
今じゃしがねえ用心棒
痛む 痛む 痛む
胸をせきこんで
平手の造酒よ どこへゆく

どこへ行くったって
このさいどうするか
うん!こうなりゃ
吉良の仁吉のとこへでも行くか
云いたかないけどあの男も
めんどうみたよ

背なに女房の泣く声聞けば
男度胸の荒神山も
義理と情けについにぶる
二度と 二度と 二度と
帰れぬ三度笠
あわれ仁吉よ どこへ行く

どこへ行くったって
よわっちゃったなァ
え−い!こうなりゃ俺も男だ
みんなまとめてめんどうみよう
いいたかねえけどめんどうみよう
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