家族

南にでかけたがる父と
北へ帰りたがる母と
ここにとどまりたい息子と
新しい家に越してゆく

母を裏切りたい父は
酒のサカナに息子をえらび
家の自慢をするほどに酔い
息子におのれを 美化するのだ

息子がしでかす謀を
信じたがらない母の道理
母がよろめくことにまったく
信じたがらないは父の道理

ふしぎな顔して帰ってくる時
父はしゃべらず気嫌が悪い
それなりの心配もこの家では
それぞれの地図にのせるだけ

てれびからの事件はそれほど
家族をわかせるほどでなく
てれびだけでこの家が
かわってしまうのはありえない

だから歴史のない家は
誰がみてもおかしくない家
古いものを怖がらない家族に
まだおめにかかったことはない!
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