風炎

一雨過ぎて
ついぞ桜と別れたばかり
黄砂朧に
吹き抜く風炎の風模様
花の色は ゆらゆら移りゆく
胸は しくしく痛みます
名も無い川に 花びら敷き詰めて
夢の名残の花筏
さよなら 君

ふたとせ前の
あの日も風炎の遅い春
君と重ねた
寸分違わぬ恋の色
あはれあはれ ほろほろ思い出は
胸に ひりひり刻みます
たった一度の 恋なら尚更に
時の狭間に 埋めましょか
さよなら 夢

君の声も 君の指も
君の唇も 君の瞳も
君のぬくもりも 君の笑顔も
いつか忘れて しまうかしら
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