赤い靴

坂道の途中でふと振り返れば
幻のように 光る海が見えた
あの頃の二人は いつも港を見てた
外国船の白と 君の赤い靴
坂道をたどる時に 感じる自分の重さと
登りつめた時に
ふいに拡がる眩しい風景を君は愛してた
とてもとても優しいまなざしで
僕は誰かが君を遠くへ連れていってしまいそうで
悲しかった

僕はまだ今でも 坂の途中に居て
やっと自分の 重さ感じている
今でも忘れない 栗の花の向うの
飛行機雲の白と 君の赤い靴
僕の長い坂道は 遠く険しいけれど
登りつめた時に
きっと眩しい風景が待っていると信じて
辛い時は君の赤い靴
思い出しながら 強く生きている

いつの日か君と二人で 見るはずだったあの青い海を
信じて坂道 登り続けているよ
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