夢行燈

夏の終りの夜の夢は
売られ売られて流れゆく
白き娘の恋の夢
命短かし運命なら
せめて故郷で死にたいと
暗い瞳で つぶやいた

土手の柳に吹く風に
吹かれてゆれる新内流し
悲しき恋のてん末を
ふさいだ耳に忍ばせる
娘は十五 白い手で
古い行燈の灯を消した
×