風の国

雪より白く咲く花が
凍えた風に揺れてたよ
遠い昔に死んだ女の
想いが浜辺に咲くらしい
あんた赤い冬の花
行きずり俺に酒を注ぐ
このまま抱き合う夜になれ
こんな寂しい風の国
子守唄 歌う声
潮騒に似て胸を揺するよ
波の音だけを聞いて
生きてきた人よ
曇り夜空の海鳴りが
次の夜明けまで 流れてゆく

入江に抱かれた港町
小さな歌が流れてる
こんな二人のお伽話を
隠す月さえもない夜に
窓の外 虎落笛(もがりぶえ)
すすり泣くように胸を揺するけど

風の歌 声を合わせ
生きてきた人々よ
曇り夜空の舟のきしみが
次の夜明けまで 流れてゆく

曇り夜空の海鳴りが
次の夜明けまで 流れてゆく
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