長崎ノクターン

すゝり泣く雨に 街も濡れている
ひとり聞く別れの
長崎ノクターン
あのひとの残した 溜息が
とても とても とても せつない

港 出る船は 沖の島遠く
だれを乗せてゆくやら
赤い灯(ひ)が消える
今宵 また逢いたい 人の名を
雨に 雨に 雨に つぶやく

帰らない恋の つらい想い出を
雨は知っているのか
音もなくそゝぐ
きずついた心に 長崎の
甘い 甘い 甘い ノクターン
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