おふくろ

はじめて背広を 着たその日
目頭おさえて 泣いていた
おふくろよ ありがとう
苦労教えりゃ 手に余る
あれから春が また秋が
増えた白髪が 目にしみる

いくつになっても 子は子供
いくつになっても 親は親
おふくろよ ありがとう
無茶も重ねた 困らせた
ひとりで酒を 呑む夜は
思いだすんだ がきの頃

ふたりで並べば 今更に
ちいさくなったと そう思う
おふくろよ ありがとう
俺が今夜は 背おう番
筋くれだった 薬指
せめてあげたい しあわせを
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