孤独(ソリティア)

部屋には今もあなたの 風が吹いている
想うだけで息がとまる程 深く愛してた
ベランダの花の色も レコードの響きも
薄いお酒の氷の溶ける音も
あなたを覚えてるのに
私の孤独は 時計の中で
あなたの年齢さえ 追い越してしまった
話をするその仕草や 間の取り方から
横顔や煙草の煙の形まで 好きだった

記念日だらけのカレンダー あきれてたあなた
でももう赤い日付は増えない
それが寂しくて
私の孤独を 縁取るものは
想い出のぬくもりと あなたの居ない音
明日この町を出ると 決めた途端に
壁紙の染みさえ愛しくて 涙がとまらない
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