凱旋

祖国を追われた 小さな町で
祖国を恨んで 年老いた男
酒場の隅で泣きながら
おまえは帰りたいとうたった
娘や妻でさえ おまえを恨んでいると聞いた
それでもおまえを 駈り立てるものはなんだ

船を出すには 腕はやせすぎ
夢を追うほどに 若くはないけれど
入江で休む為だけなら
船に白い帆はいらない
結末の解った短い悲劇を
演じる男が 一人くらいいてもいい

Oh ジョー 我が心のたった一人の友
今日を限りの別れの酒を
俺はきっとこの町で 命を終るだろうが
最後にイカシた夢をくれたぜ
あの世であったなら もう一度うたっておくれ
あの世であったなら もう一度うたっておくれ
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