オールド・タイム

街角のウインドーから冬の足音
家路急ぐ人の群れに押し流され乍ら
ふと思う 心熱き日を振り返れば鏡に投げたナイフ

汗だけが武器の頃 澄んだ瞳で
見つめていたアスファルトは 今 枯葉の季節
夢ならばまだ失くしてないあのナイフは笑顔の影にある

時は街を容赦なく変えるけれど
時は人をあやつるけれど
流れに投げた熱いナイフは錆びない
古い時計が刻む時の切なさに
涙 流す人を抱きしめて
夜を渡る風になりたい

住みなれたこの街の地図を燃やした
何もかもが 目新しく塗り変えられてゆく
今をのがせば もう憧れについてゆけない僕は行かなければ

時は街を容赦なく変えるけれど
時は人をあやつるけれど
流れに投げた熱いナイフは錆びない
古い時計が刻む時の切なさに
涙 流す人を抱きしめて
夜を渡る風になりたい

心許したなつかしい人の待つ街
喜び悲しみ教えてくれた
愛とやすらぎ溢れているこの街
古い時計は命を削り乍らも
愛の振り子を止めはしない
そして僕は夢に負けない
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