夏銀河

鯵の小骨を 器用にとって
猫に餌やる おんなが一人
窓に腰かけ 地酒をのんで
潮風(かぜ)に吹かれる おとこが一人
波をまくらの 海鳥が
人の情けに とまる夜
しみじみと仮寝の宿は しみじみと
佐渡によこたう 夏銀河

時がこのまま 停まればいいと
猫に呟く おんなが一人
土地の言葉に 馴染んだ頃に
遠く目をやる おとこが一人
旅の途中か 果てなのか
心まかせの 笛太鼓
ほのぼのとやすらぐ宿は 束の間の
佐渡によこたう 夏銀河
ルルル…
ルルル…
佐渡によこたう 夏銀河
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