ほうずき情話

みぞれが降る夜 ふらりと寄って
ひとり手酌で のんでたあなた
ついてこいとは 云われぬままに
抱かれたあの日の 酉の市
どこにいるの 逢いたい 逢いたいあなた
なみだ花 ひとり咲き

夜店で買った 紅ほうずきを
おとこのくせに 上手に鳴らす
いまも誰かに 鳴らしているの
しあわせだったら いいけれど
噂さえも とどきは とどきはしない
みれん花 ひとり咲き

小さな小さな お店だけれど
露地の細みち 灯りをともす
三社祭で 賑わう頃に
あなたの木遣いも 帰るわね
どこにいるの 逢いたい 逢いたいあなた
別れ花 ひとり咲き
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