ママの一番長い日~美しい朝~

おじいちゃんは山へ芝刈りに朝から出掛け
OBを5発も打って落ち込んでいる頃
おばあちゃんは川へカラオケ仲間と出掛け
マイクを離さず5曲目を歌う頃
沢山の幸せを小さな手に握りしめてきみは生まれた
やがて美人になるなんてとても
思えないほど僕に似ていた 花の季節だった
この物語の始まりの空は
美しく青く澄んで晴れ渡っていた woh

きみが最初にしゃべった言葉はパパで
嬉しくてその晩お酒を飲み過ぎたっけ
でも困ったときに呼ぶのは必ずママで
ママは一途にきみをみつめて愛した
沢山の幸せを周りに振りまきながらきみは育った
保育園では男勝りで
いつも子分達を従えて家に帰ったね
そのくせとても気遣う娘で
美しく澄んだ瞳はいつも輝いていた woh

どこからか君が犬を拾って帰って
僕に酷く叱られたことがあったね
きみはすぐおじいちゃんの懐に逃げて
おばあちゃんを呆れさせた
思い出す長い髪をなびかせてきみはいつも犬と走っていた
やがて初恋ときめく心を
僕には隠したつもりだろうと思うけれど
少し淋しい思いで居たんだ
美しく育った君の瞳が眩しかった woh

ママ以外の家族に隠していたことがある
思いもかけず僕の病気はとても重くて
少しばかりみんなよりも先に
いなくなってしまうけれど
泣かないでいつでもそばにいる きみの花嫁姿は見られないけれど
生命はこうして大切な人に 手渡されてゆくものだと気づいたから
出会えたことや愛し合えたこと
本当のしあわせはいつも近くにある woh

僕が居なくなった後もきみとママは
いつも僕を思い出してくれたね
おじいちゃんが僕の代わりにきみ達を護り
頑張ってくれていたけれど
彼が来て 求婚した時 おじいちゃんに殴られたのに驚いていたね
パパとママとが 一緒になるとき
やはりパパはおじいちゃんに殴られたんだよ
彼が二つも 殴られた訳は
きっともう一つはパパの分だと思う woh

ヴァージンロードを歩くきみの
隣を僕も歩いているよ
お願いがあるママによく頑張ったねと
本当にありがとうと伝えて
愛してる どんな時も きみたちを護っていると信じて欲しい
この物語の 続きはふたりが
幸せに包まれるように願いながら
ママが嫁いだ 美しい朝と
きみが生まれた日を遠く思い出している woh
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