風の恋唄

島影に陽が沈み 夜空(そら)に天の川
泣きながら好きな人 どこへ いまは どこへ
海を渡る 鳥のように
何も知らずに 生きること出来たら
あゝ 何故に 人間(ひと)に生れて
母の胸を捨てても 恋に身を投げ 死にたくなるの
あゝ 抱いてくれた あの宵(よ)の
桜の匂い 恋しくなるの
風の恋唄よ 風の恋唄よ

白い貝殻(かい)耳にあて 波に浮ぶ月
追いかける心さえ ちぎれ いまは ちぎれ
いつか誰かの もとへ嫁ぎ
この掌(て)に我が子を 抱きしめているなら
あゝ 何故に 人間(ひと)に生れて
父の愛を捨てても どこか遠くへ 行きたくなるの
あゝ 誓い合った あの宵(よ)の
桜(はな)の匂い 恋しくなるの
‥‥風の恋唄よ

あゝ 何故に 人間(ひと)に生れて
母の胸を捨てても 恋に身を投げ 死にたくなるの
あゝ 抱いてくれた あの宵の(よ)
桜(はな)の匂い 恋しくなるの
風の恋唄よ 風の恋唄よ
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