Kの氷奏曲

荘厳なる逆水を導き城壁を成す
大湖の波は立ち上がり遠来の賓客(ひんきゃく)を歓迎する

真しやかに囁く嘘の符号を並べて

弾き語る旋律は微笑みの裏を暴く
銀盤で踊るがいい 夜明けまで
似つかわしき者達が悪徳を着飾って手をとり合う

案ずることはない 玉響(たまゆら)で創り終える
叫(あめ)く姿はそう さぞかし特異だろう

尖塔(せんとう)まで達した僕の神経が今捕える

滑べらせる指は徐々に終章へと速まり

弾き語る旋律は微笑みの裏を暴く
銀盤で踊るがいい 夜明けまで
似つかわしき者達が悪徳を着飾って手をとり合う

冷酷な中枢に凍みゆく蒼き独奏美学に反した代償の果てに
砕け散った氷像が見せた瞬きの栄え 城が落ちる
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