雪柳

雪の白さよりもっと白く
咲いていたよ雪柳
あなたとはじめて夜を過ごした
その朝に

雨の淡さよりもっと淡く
咲いていたよあじさいの花
ぬれた体をあなたのコートで
つつんだ夜に

風の甘さよりもっと甘く
咲いていたよ沈丁花
二人で暮らした部屋の窓の
その下に

めぐりめぐる季節の中で
別れても追いかけて 求め続けた

海の青さよりもっと青く
澄んだ秋の空の中へ
出てゆくあなたに何をあげよう
その手に
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