聞いてくだされ この胸のうち
秘めて幾年(いくとせ) せつない恋よ
女心に 火をつけ燃やす
甘い言葉の 愛しさ憎さ
鴨川(かも)の川風 祇園の夜風
嘘が彩(いろど)る 恋ざんげ
お梶どの 嘘や偽りで この様なことが打ち明けられようか…
わしが二十歳、そなたが十六の祇園祭の夜 出会(でお)うた時から
一日も忘れた日はない 心が焼けるように 恋焦がれていたのじゃ…
この想い 哀れと思うてくだされ…のう お梶どの…
藤十郎様…それはみな本心かえ あなたは京歌舞伎 当代随一の
誉れも高い立役者。それが人妻の私のような者を好いて下さるとは…
あぁ…でも それが真実(まこと)ならば
梶は三国一の果報者…嬉しゅうございます…
人目逃れの 離れの座敷
女泣かせの 偽(いつわ)り芝居
妻という名も 操(みさお)も捨てて
ついてゆきたい 地獄へなりと
そっと吹き消す 絹行燈(きぬあんどん)よ
闇に溶けゆく 恋ざんげ
あ…許して下され 不義密通は天下のご法度。
とんでもない事を言うてしまった…
心の奥に隠して 耐えて忍んできたものを…忘れて下され お梶どの…
何を今更 もう私の心は後戻りできませぬ
たとえ水火(すいか)の苦しみも
死出の三途の道なりと 梶は藤十郎様とならば厭(いと)いませぬ…
どうぞ抱いてくださりませ…
芸のためなら命もかける
恋もしかける 涙も流す
たとえ嘘でも 恨みはしない
夢の一夜(ひとよ)が 冥途(めいど)の土産(みやげ)
響く拍子木(ひょうしぎ) 散る夕ざくら
罪な花道 恋ざんげ
秘めて幾年(いくとせ) せつない恋よ
女心に 火をつけ燃やす
甘い言葉の 愛しさ憎さ
鴨川(かも)の川風 祇園の夜風
嘘が彩(いろど)る 恋ざんげ
お梶どの 嘘や偽りで この様なことが打ち明けられようか…
わしが二十歳、そなたが十六の祇園祭の夜 出会(でお)うた時から
一日も忘れた日はない 心が焼けるように 恋焦がれていたのじゃ…
この想い 哀れと思うてくだされ…のう お梶どの…
藤十郎様…それはみな本心かえ あなたは京歌舞伎 当代随一の
誉れも高い立役者。それが人妻の私のような者を好いて下さるとは…
あぁ…でも それが真実(まこと)ならば
梶は三国一の果報者…嬉しゅうございます…
人目逃れの 離れの座敷
女泣かせの 偽(いつわ)り芝居
妻という名も 操(みさお)も捨てて
ついてゆきたい 地獄へなりと
そっと吹き消す 絹行燈(きぬあんどん)よ
闇に溶けゆく 恋ざんげ
あ…許して下され 不義密通は天下のご法度。
とんでもない事を言うてしまった…
心の奥に隠して 耐えて忍んできたものを…忘れて下され お梶どの…
何を今更 もう私の心は後戻りできませぬ
たとえ水火(すいか)の苦しみも
死出の三途の道なりと 梶は藤十郎様とならば厭(いと)いませぬ…
どうぞ抱いてくださりませ…
芸のためなら命もかける
恋もしかける 涙も流す
たとえ嘘でも 恨みはしない
夢の一夜(ひとよ)が 冥途(めいど)の土産(みやげ)
響く拍子木(ひょうしぎ) 散る夕ざくら
罪な花道 恋ざんげ
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