普段は、どのように曲作りをされているのでしょうか。
井上:ギターを使って作りますね。最初にコードを弾いて、それにメロディーを乗せたものをボイスレコーダーで録って、最後が歌詞です。歌詞は、聴いてくれる人の頭の中で物語がすぐ絵になって浮かんでくるようなものにしたいので、情景を細かく書きつつ、リアルな気持ちを乗せられるように毎回すごく苦戦していますし、大事にしています。
苑子さんは今まで“シンガーソングライター”という言葉の前に、“中学生”や“現役女子高生”という肩書きがつくことも実感されてきたかと思います。今年高校を卒業してから、曲を作る際にそういうものから自由になったような感覚ってありますか?

井上:あ〜、今のところは…そんなに変わらないなぁと思います。ただ、それこそつい最近までは女子高生シンガーでやらせてもらっていたんですけど、その肩書きがなくなったことで、パッと年がわからなくなったなぁって。だから私のTwitterやブログをみて「あ、井上苑子って同じ年だったんだ」とか「一個上なんだ」とかをあとから知る人が増えてきたような気はします。もし「あ〜こんな近い年で音楽をやっているんだったら、私も頑張ろう!」って思ってもらえるとしたら、それはすごく嬉しいことですね!だけどその…若いからこその曲をどうとか(笑)、そういうことはあんまり考えたことがないですね。
では、苑子さんが歌詞の面で影響を受けたアーティストを教えてください。
井上:一番は“SUPER BEAVER”さんですかねぇ。私も何曲か、ボーカルの柳沢亮太さんと一緒に自分の曲を作らせてもらったんですけど、柳沢さんの書く歌詞は毎回すっごいなって思います。なんて言うんだろう…たとえば「赤いマフラー」とかもそうなんですけど、<肌を刺すような風吹く>っていうフレーズが最初にあったら、それを最後にもう一回出すことで物語の芯を作る、というのがすごくお上手なんです。SUPER BEAVERさんの新譜も出るたびにチェックして、歌詞をめっちゃ読むんですけど、全部にうわぁ!やられたぁ!って思わされますね。あと私自身がすごく救われた音楽でもあります。
SUPER BEAVERさんの曲には、どんなときに一番救われたのでしょうか。
井上:上京してしばらく経ってからが寂しかったんですよねぇ。上京したてのときは、初めて目にするものがいっぱいあって東京がおもしろかったし、一人暮らし最高!って思っていました。でもだんだんそれに慣れちゃうと、(ご飯めんどくさ…)とか(髪の毛めっちゃ抜けるじゃん!掃除機何回かければいいの!)とか感じるようになってきて、改めて親のすごさとか大切さに気がついて。で、友達とかも大阪の頃の方がたくさんいたよなぁ…とも思ったら、なんか一人ぼっちだなって気持ちになってしまった時期があったんです。そんなときにSUPER BEAVERさんの曲を聴いていました。
とくに好きな曲は何でしたか?
井上:当時、聴いていて助けられたのが「証明」という曲です。歌詞に<産まれて死ぬまで一人なのは 誰も独りきりでは無いという「証明」>っていうフレーズがあって。一人でいられるってことは、同時に、誰かがいるってことでもあるんだという意味だと私は受け取りました。だから寂しいとき、(今自分が一人ぼっちだと思っていても、きっと気づかないところで誰かに助けられていて、実はそばにいてくれているんだろうなぁ…)とか、そういうことを思わせてくれましたね。今でも大好きな曲です。
苑子さんにとっては、歌詞を書くこととはどんなことでしょうか。
井上:自分にとって…というより、誰かにとっての何かになればいいなぁと思いながら書いていますね。私にとってのSUPER BEAVERさんの歌詞みたいに。あと、私はまだ自分の気持ちを発散できるほど上手く歌詞を書けないんだと思います。もっともっと言葉をコントロールできるようになって、スッと納得のいくフレーズが出てくると、スッキリするのかなぁと思うんですけど、今は「このメロディーにこの感情を入れたいのに何て書けばいいんだろう…」とか悩んでばっかりなので、もうちょっと勉強ですね!
また、12月には『19th BIRTHDAY TOUR2016 〜いぬうえワン!だランド〜』のライブもありますね!前回ライブを観させていただいたとき、いろんなコーナーがあったりしてとても楽しかったのですが、今回はどのようなライブにしたいと思いますか?

井上:「エール」というパーティー感のある新曲もできましたし、ライブ自体もキラキラ楽しいものにしたいなぁと思っています!みんなに非日常的なステージを感じてもらいたいので。なんか、私の中で“アーティスト”って存在はちょっと遠いかなぁというイメージがあるんです。でも、実際はただの一人の人間だし、ライブのときは同じ空間にいるんだし、せっかくなら一緒におもしろくやりたいなぁと思って、即興のリクエストコーナーとかファンの方からの替え歌コーナーとかも作るようになったんです。だから今回もとにかくみんなで楽しくできたらなって気持ちが強いですね!
苑子さんはライブのみならず、曲やSNSでもファンの方との距離感がとても近いですよね。だからこそ、歌ネットで歌詞を見てくださっている方のTwitterでの反応などを見ても、苑子さんは愛されているなぁと感じることが多いです。
井上:そうですねぇ、ホント嬉しいんですよね。皆さんありがとうございます!もうたまに「友達かよ!」って思いますもん(笑)。たまに道端で急に「苑子!」って呼ばれたりするんですよ!私も知り合いだと思って「ん?」って変な顔とかしちゃったらファンの方で…(笑)。ビックリしましたけど、みんなめっちゃおもしろいですね。
これから、どんなアーティストになっていきたいですか?
井上:やっぱり誰もが知っているアーティストになるっていうのが一番の夢ですね。あとは、二十歳くらいで…ちょっとまだわからないですけど、武道館に立ちたいなって思っています。でももう時間がなさ過ぎる(笑)。ヤバイですね、ちょっと急ぎます!頑張ります!
ありがとうございました!最後に、歌ネットを見ている方にメッセージをお願いします。
井上:歌ネットさんでは、毎回新曲をリリースするたびに「注目度ランキング」に入れてもらったり、トップに出してもらったりしているので、その分見てくださっている方も増えているんじゃないかなぁって思っています。だからこそ、もっとみなさんが「この歌詞に助けられた」とか「自分に重なる」って思ってもらえるような歌詞を書けるように頑張っていくので、これからも応援よろしくおねがいします!