ランキング表を見てみると、「トイレの神様」は5位で、その上に4組、その中でのトップはなんとflumpoolとなった。これは1/26発売の2ndフルアルバムに向けてのプロモーション効果も多少あろうが、検索数自体は12月下旬から数字を伸ばし続けているので、"ミュージックステーション→紅白→アルバム・プロモーション"の3段飛びにおける要として、"紅白"が上手く奏功したと言えよう。
AKB48はメドレーで歌った3曲が2位、6位、10位にすべて上位にランクイン。それにしても、75万枚ヒットの「ヘビーローテーション」の方が、ミリオンヒットとなった「Beginner」よりも、歌詞検索やカラオケ、有線リクエストなど大半の部門で上位というのを見ると、アイドルのCD売上げと同一作品の種類の多さとの相関関係の強さに唸らされる。(人気の「ヘビロ」は3種類に対し、「Beginner」は5種類。いっそのこと、「ポカーン!」「プスーン!」「ボヨーン!」などの奇声を連呼するだけのCDを特典100種類違いで出して、もっと簡単にミリオンヒットを達成しちゃったら、業界全体がそれになびくか、反旗を翻すか、いずれにせよ大きく動きそうな気がする。)
3位のいきものがかりは、前回の「YELL」に続き、今回は「ありがとう」で大きく浮上。他にも、EXILE、FUNKY MONKEY BABYSもこのランキングで2年連続のTOP10入り。紅白と相性の良い、つまり幅広い世代に人気のアーティストだと分かる。
今回は、総合TOP20中に9作も紅白歌唱曲がランクインし、これは前回の6作よりも多く、紅白効果がいっそう明確に分かる。しかし、その一方で、坂本冬美「また君に恋してる」(前回は、総合200位圏外→15位に急浮上。今回も総合54位→32位に上昇)や、アンジェラ・アキ「手紙」(前回184位→39位)のようなジャンプアップ曲は見られなかった。強いて言えば、圏外→59位の浜崎あゆみ「Virgin Road」だが、これは紅白効果というよりも、本人の結婚報道効果の方が大きかっただろう。
つまり、ここから読み取れるのは、今年は、出演効果が確実に出るような鉄板ソングが多かった半面、視聴者にとって意外だった好評曲がなかったのかもしれない。あるいは、それは「トイレの神様」とAKBに集約されたのかもしれない。その意味では、次回は意外な出演者によるサプライズ演出をいっそう期待したい。
ともあれ、今回は「紅白なんてダサイよね〜」という声が、僻目になった中高年あたりからしか(笑)聞こえてこなくなっていたが、この結果からも若い音楽ファンに紅白の強い影響力が読み取れた。ちなみに、今回も、上位曲の6割が紅組で、前回同様に実際の勝敗とは真逆の結果となった。