ランキングを見ると、上位15作のうちなんと6作が西野カナ。3rdアルバムが6月にリリースされたこともあるが、6月〜7月は他にもSuperfly、JUJUなどヒット・アルバムがあった中でダントツなのは、やはり彼女の歌詞を支持するリスナーが相変わらず多いということだろう。この圧倒的な結果から、彼女のアルバムのセールスが前作比で4割減となっているのは、その作品力の低下というよりも、グループ・アイドルばかりを優遇し、ソロ・アーティストを冷遇しがちなメディアの影響も大きいかもしれない。ちなみに、西野カナのシングルは大半が1種類での販売。つまり、売上げ10万枚のシングルならば、10万人が購入したヒット作なのだ。それゆえ、歌詞検索でも顕著に上位となっている。
2位、3位、4位とアルファベット系の女性アーティストが並ぶが、女性ソロの1位〜4位は、レーベルこそ異なるものの、全員SME系列のアーティストが独占。SMEの女性アイドル・グループは9nineやbump-y、Tomato’nPineなど、他社に比べてやや遅れをとっているが、その分、女性ソロでは圧倒的なパワーを見せており、さすが70年代からのお家芸だと感心する。アルファベット系では、7位に「歌ネット・パワープレイ」で特集されたCHIHIROもランクイン。凛とした美声なので、今後も歌詞がネックとなりそう。
AKB48からソロ・デビューした板野友美と前田敦子もそれぞれ5位と14位にランクイン。AKB本体の人気からすると地味に見えるかもしれないが、今月度の歌詞検索上位TOP100には、CDセールスではダントツのSKE48、NMB48など関連ユニットも全く入っておらず、AKB48以外ではNot yet(「波乗りかき氷」が総合65位)
と板野、前田のソロのみなので、実はこの二人はかなり健闘しているのだ。つまり、ソロ・デビューするということは、それだけ歌に注目が集まるということだ。80年代、おニャン子クラブの勢い以上に工藤静香が大ブレイクしていったように、今後AKBなどグループ出身アイドルの中から、大衆を圧倒するような女性ソロが生まれることも期待したい。
その他、同世代に大人気のモデル、きゃりーぱみゅぱみゅが、CD発売前から大きな話題となって13位にランクイン、中田ヤスタカのプロデュース・マジックで、Perfume同様人気を集める兆しが現れている。
以上のように、今回のランキングから、女性ソロの人気曲があることが分かった。この結果からも、歌詞検索は、CDセールスよりもいち早く、人気の男女ソロ・アーティストを見出せる重要なランキングの一つと言える。今後も、注目していくべき指標だろう。